柔道整復師法という法律があり、広告の制限という項目の中で広告できる内容が決まっています。
法律で認められていない内容は掲載禁止です。誰が作成したとしても広告物は全て発行した施術所の責任になります。
広告規制の対象は、不特定多数の人が目にすることができる↓
などです。
施術所内で配布する「院内配布物」や「院内掲示物」は対象外です。
ただし、人の目に入るように窓の外側に向かって貼る掲示物は、対象になります。
2016年6月、「都道府県知事に開設の届出を出した旨」が追加されました。
同時に、違反広告の指導をより徹底するように通知が出ました。
ホームページは現在のところ広告の制限の対象外ですが、誇大広告と思われる表現や患者さんの誤解を招く表現は避け適正な表現にする必要があります。
保険施術料金を掲載する場合は、保険適用と保険適用外料金を必ず分けて、「保険施術による料金は厚生労働省の定める料金です。」というような表現にしましょう。
また、診療時間など「診療」「診察」という表記は「施術」に変更してください。
「診療」等の表記は接骨院では基本的にはできません。
チラシと違い、ホームページはいつでも見ることができるため、患者さんや同業者からの指摘により、保健所や地方厚生局などのチェックを受けやすいです。
基本的には法律で定められていること以外は記載できません。
広告の制限を確認のうえ、チラシを作成してください。
特に、交通事故や自賠責保険の取扱いについては、載せないようにご注意ください。
保険施術の料金も自費施術の料金も書くことはできません。
作成できますが法律の内容しか書けないため、「出張(訪問)施術」以外の記載はできません。
※無料体験・無料送迎・流れ・料金等は不可。
広告の制限を逸脱したチラシを配布すると、管轄の保健所や地方厚生局から指導が入ります。
近年、保健所の広告指導が厳しくなっており、広告の制限の法律に掲げる事項以外は一切認めないという指導が行われています。
同業者や保険者から通報があると、保健所から注意を受けたり文書提出を求められたり、訪問して外観の広告のチェックが行われたりします。
また、実際に保険請求をきっちりしているかどうかを確認されることもあり、保険請求を適切にしていなかった場合は個別指導や、業務停止に繋がる可能性もあります。
pdfのダウンロードはコチラから 整骨院等の広告の制限
接骨院・鍼灸院等がチラシや看板等で広告できる内容は、柔道整復師法やあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律によって制限されています。
ホームページは現在のところ広告規制の対象外ですが、誇大広告と思われる表現や患者さんの誤解を招く表現は避ける必要があります。
また、この規定に違反した者は30万円以下の罰金に処するとしています。
(柔道整復師法第30条第5号、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律第13条の8)
第二十四条 柔道整復の業務又は施術所に関しては、何人も、文書その他いかなる方法によるを問わず、次に掲げる事項を除くほか、広告をしてはならない。
一 柔道整復師である旨並びにその氏名及び住所
二 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
三 施術日又は施術時間
四 その他厚生大臣が指定する事項(※)
前項第一号及び第二号に掲げる事項について広告をする場合においても、その内容は、柔道整復師の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。
〈柔道整復師法第二十四条第一項第四号の規定に基づき、柔道整復の業務又は施術所に関して広告し得る事項 ◇平成11年4月1日から適用〉
※【広告し得る事項】
一 ほねつぎ(又は接骨)
二 第十九条第一項前段の規定による届出をした旨(平成28年6月29日追加)
三 医療保険療養費支給申請ができる旨(脱臼又は骨折の患部の施術に係る申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
四 予約に基づく施術の実施
五 休日又は夜間における施術の実施
六 出張による施術の実施
七 駐車設備に関する事項
【広告し得る事項】二について
都道府県知事に開設の届出をした旨のこと
○厚生省告示第六十九号
あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)
第七条第一項第五号の規定に基づき、あん摩業、マッサージ業、指圧業、はり業若しくはきゅう業又はこれらの施術所に関して広告し得る事項を次のように定め、平成十一年四月一日から適用し、昭和二十六年十月厚生省告示第二百十八号(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律第七条第一項第五号の規定に基づき広告し得る事項を定める件)は、平成十一年三月三十一日限り廃止する。
(平成11年3月29日)
一 施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
二 第1条に規定する業務の種類
三 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
四 施術日又は施術時間
五 その他厚生労働大臣が指定する事項(※)
2 前項第1号乃至第3号に掲げる事項について広告をする場合にも、その内容は、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。
※【広告し得る事項】
一 もみりょうじ
二 やいと、えつ
三 小児鍼(はり)
四 法第九条の二第一項前段の規定による届出をした旨(平成28年6月29日追加)
五 医療保険療養費支給申請ができる旨(申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
六 予約に基づく施術の実施
七 休日又は夜間における施術の実施
八 出張による施術の実施
九 駐車設備に関する事項
【施術者である旨】に含まれる表現
・あん摩マッサージ指圧師(厚生労働大臣免許)
・はり師、きゅう師(厚生労働大臣免許)
【広告し得る事項】四について
都道府県知事に開設の届出をした旨のこと
平成30年6月に医療法が改正され、医療機関のウェブサイトが新たに医療法の広告規制の対象となりました。
今後は、医療機関のウェブサイトについて禁止事項に違反した不適切な表示があれば、行政による立ち入り検査や是正命令、あるいは罰則の対象となります。
例えば以下のようなケースは記載内容によっては違法となる可能性があり、特に注意が必要です。
まず最初に、平成30年6月の医療法改正後の広告規制の概要を説明すると以下の通りです。
看板やチラシ、テレビCMなどの広告については、従来から、医療法で広告可能事項が定められ、医療法で認められた項目以外の事項については広告が禁止されていました。
この点は、今回の医療法改正でも変更はありません。
※「医療法の広告可能事項」については、本記事の「3.ウェブサイト以外の広告は医療法の広告可能事項に限定される。」の段落で詳しくご説明していますので、ご覧下さい。
医療機関のウェブサイトについては、これまでガイドラインによる指導にとどまり、医療法による規制がありませんでした。
この点が、今回の医療法改正で大きく変更になり、医療機関のウェブサイトについても、医療法による広告規制の対象とされました。
ただし、以下の条件を満たすウェブサイトについては、患者への情報提供の観点から、今回の医療法改正でも、看板やチラシ、テレビCMなどのような広告可能事項の限定は設けられていません。
その結果、誇大広告の禁止など6つの禁止事項に違反しない限り、自由な広告が許容されます。
医療法の広告可能事項の限定を受けないためのウェブサイトの条件は以下の通りです。
上記の3つの条件を満たすウェブサイトは、広告可能事項の限定がなく、比較的自由な広告が許容されます。
ただし、以下の6つの禁止事項が適用されますので注意する必要があります。
患者の主観に基づく治療内容または治療効果に関する体験談は、真実であるかどうかを問わず、ウェブサイトへの掲載が禁止されています。
治療内容や治療効果に関する感想は、個々の患者の状況により異なり、誤認を与える恐れがあるということがその理由です。
なお、患者の体験談であっても、治療内容や治療効果に言及しないものであれば、禁止の対象とはなりません。また、患者の口コミのうち、医療機関からの依頼に基づかずに記載するものについても、医療機関の広告とはいえないため、禁止の対象外とされています。
いわゆるビフォア・アフター写真や治療前・治療後のイラストの掲載については、通常必要とされる治療内容や費用等に関する記載、治療等の主なリスク、副作用等に関する事項について詳細な説明を付けた場合に限り、認められます。
このような詳細な説明をつけないで、治療前/治療後写真やイラストの掲載をすることは、真実のものであっても禁止されています。
治療の結果は個々の患者により異なり、ビフォア・アフター写真は患者を誤認させる恐れがあるということがその理由です。
以下のような広告は、他の病院と比較して、自院が優れているということを広告するものであり、消費者に誤認を与える恐れがあるとして、禁止されています。
誇大広告は禁止されます。
科学的な根拠が乏しいにもかかわらず、「◯◯手術は効果が乏しく、リスクも高いので、新たに開発された◯◯手術をおすすめします」などと記載するケース
また、 「◯◯センター」などの呼称の記載は以下の場合を除き、誇大広告とされていますので注意が必要です。
虚偽広告は禁止されます。
データの根拠を明確にせず、「◯%の満足度」などと記載するケース
医療法とは別に、景品表示法で、治療の効果や効能をうたう広告についての規制があります。
景品表示法では、効果や効能をうたう広告について消費者庁から根拠資料の提出を求められた後15日以内に根拠資料を提出できない場合は、違法な広告であると認定するルールを定めています。これを「不実証広告規制」といいます。
この不実証広告規制により、合理的な根拠なく効果・効能を表示する広告は禁止されます。
不実証広告規制については、以下の記事で詳しくご説明していますのであわせてご参照ください。
看板やチラシ、テレビCMなど、ウェブサイト以外の広告については、従来通り、医療法で認められた広告可能事項のみが広告可能です。
また、医療法の広告可能事項の限定を受けないための3つの条件を満たさないウェブサイトについても、同様に広告可能事項のみ広告可能です。
ウェブサイト以外の広告において、医療法で認められた広告可能事項は、以下の26項目です。
(1) 医師又は歯科医師である旨
(2) 診療科名
(3) 病院または診療所の名称、電話番号、所在の場所、管理者の氏名
(4) 診療日、診療時間、予約による診療の実施の有無
(5) 法令の規定に基づき一定の医療を担うものとして指定を受けた病院であること(例:労災指定病院)
(6) 地域医療連携推進法人の参加病院等である場合は、その旨
(7) 入院設備の有無、医師や従業員の数、その他医療機関の設備や人員配置に関する項目
(8) 医療従事者の氏名、年齢、性別、役職及び略歴、厚生労働大臣が定めた医師等の専門性に関する資格名
(9) 医療相談、医療安全、個人情報の適正な取扱いを確保するための措置その他病院等の管理又は運営に関する事項
(10)紹介可能な他の医療機関等の名称等、他の医療機関との連携に関する事項
(11)ウェブサイトのアドレス、入院診療計画等の医療に関する情報提供など医療に関する情報提供についての事項
(12)病院等において提供される医療の内容に関する事項(自由診療については保険適用外であることと標準的な費用がわかるように記載することが必要。往診の実施や在宅医療の実施についても記載可能。成功率、治癒率などの記載は不可。)
(13)平均入院日数、平均患者数等に関する事項
(14)健康診断の実施に関する事項
(15)保健指導、健康相談の実施に関する事項
(16)予防接種の実施に関する事項
(17)治験薬の治験に関する事項
(18)医療機関と同一敷地内にある介護保険サービス事業者の名称やサービス内容
(19)費用の支払方法、入院患者に対するサービス内容、対応言語、駐車場設備、送迎サービス、携帯電話の使用、通訳の配置などの事項
(20)医療機関の開設者に関する事項
(21)公認会計士等の外部監査を受けている場合は、その旨
(22)公益財団法人日本医療機能評価機構が行う医療機能評価の結果
(23)産科医療補償制度加入機関である場合は、その旨
(24)ISOの認証を取得している場合はその旨等
(25)Joint Commission Internationalが行う認定を取得している場合はその旨
(26)その他都道府県知事が定めた事項
グーグルやヤフーで特定のキーワードを検索されると上位に表示されるリスティング広告や、ウェブサイト内のバナーをクリックすると医療機関のウェブサイトに遷移するバナー広告については、前述の広告可能事項の制限が適用されます。
そのため、リスティング広告の広告文やバナー広告のバナー内の文章については、前述の26項目の広告可能事項以外の情報を記載することはできません。
ただし、これらの広告をクリックした際に遷移する、遷移先のウェブサイトについては、前述したとおり「医療法の広告可能事項の限定を受けないためのウェブサイトの条件」を満たせば広告可能事項の制限を受けません。
そのため、遷移先ウェブサイトについては前述の6つの禁止事項に該当しなければ自由な情報掲載が可能です。
最後に、今回の広告規制に違反した場合の罰則等についてご説明します。
まず、広告規制違反の疑いが発見されたときは、医療機関に対し、「任意の調査」、「報告命令」、「立入検査」などの措置がとられます。
そして、調査の結果、広告規制違反が発見されれば、広告の中止または広告の是正が命じられます。
さらに、広告の中止や是正の命令に従わない場合は、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が課され、また、悪質な場合は医療機関の開設許可を取り消しの対象となります。